ワンルームマンションの減価償却費って何?

Q&A15選
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減価償却費は、建物や建物付属設備などの固定資産の取得にかかった費用の全額を決められた法的耐用年数で配分し費用計上する会計上の勘定科目です。


購入した建物などの固定資産は、その年に一括で費用とすることはありません。これは、建物が購入した年だけでなく今後も継続的に業務で発生する経費という考え方からなります。今後継続する年数を耐用年数とし減価償却費として計上します。


減価償却費は、その固定資産の使用可能期間が1年以上、かつその取得価格が10万円以上の場合になります。減価償却資産は、建物だけでなく器具備品、機械装置なども対象になります。

サラリーマンが副業としてワンルームマンションを所有することにより不動産所得が生じると確定申告は必要になります。減価償却を理解していないと確定申告ができません。確定申告については、ワンルームマンション購入したら確定申告はするの?にて説明してます。

減価償却費は、費用ですがすでに支払いが済んでいるため新たな支出が発生なく節税になります。そして、キャシューフローに影響するためしっかり理解することが必要です。

減価償却の言葉は知ってるけど

説明できないなぁ

減価償却は、ワンルームマンション投資にとって大切な項目です

ルールが決まっているので難しくありません

では、勉強していきましょう

建物の減価償却

減価償却の範囲は、固定資産を取得した際の諸費用についても含めることができます。不動産購入時であれば、仲介手数料や固定資産税清算金などが含まれます。

仲介手数料は、建物と土地の両方の代金が含まれるので固定資産評価額や不動産会社に確認して按分し建物代を減価償却費とします。

参考:国税庁 賃貸用の土地建物を購入した際に支払った仲介手数料の取扱いについて

一方で物件購入時に発生した司法書士報酬、収入印紙、管理費・修繕積立金などは含まれません。初年度の確定申告はこのように減価償却費や経費についてしっかり確認する必要があります。

建物以外の固定資産と減価償却

器具設備も固定資産となります。ワンルームマンションの設備であればエアコン、給湯器などが器具装備に該当しエアコン・給湯器は、耐用年数が6年になります。

中古物件を購入しでエアコンの故障により新品に交換した時の減価償却費はすぐわかると思います。一方で、物件購入時は、物件価格にエアコン代も含まれているので必要であれば確認することになります。必要であればというのは、分けて計上しなくても問題ないからです。

分けることにより器具設備などは、耐用年数が建物より短いため節税効果が前倒しになりますが、逆に耐用年数を過ぎると節税効果がなくなるためワンルームマンションオーナーでそこまでする人は少ないです。

参考:別添3 法定耐用年数(国税庁)

減価償却費の計算

減価償却費の計算は、建物の購入価格に償却率を掛けて決まった計算式を用いて算出します。償却率は、耐用年数毎に決まっています。

◆ 建物の購入価格×償却率=減価償却費

新築マンション(RC造鉄筋コンクリート造)の耐用年数は47年と決まってます。中古マンションは、決められた計算式を用いて計算します。

新築・中古マンションの耐用年数:RC造(鉄筋コンクリート造)

新築物件47年
中古物件取得時の耐用年数=(新築時の耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2

イメージが出来るように1000万円の新築・中古マンションで減価償却費を計算してみます。このように同じ物件価格であれば、耐用年数が少ない中古マンションの減価償却費が高くなります。

建物の価格1000万円の新築マンション 1年目
1000万円(建物の購入価格)×0.022(償却率)=22万円(減価償却費)

建物の価格1000万円の中古築10年マンション 1年目
耐用年数(47ー10)+10×0.2=39年 39年目の償却率0.026
1000万円(建物の購入価格)×0.026(償却率)=26万円(減価償却費)

耐用年数毎の償却率は決められています。

























20.5170.059320.032470.022
30.334180.056330.031480.021
40.25190.053340.03490.021
50.2200.05350.029500.02
60.167210.048360.028510.02
70.143220.046370.028520.02
80.125230.044380.027530.019
90.112240.042390.026540.019
10 0.1250.04400.025550.019
110.091260.039410.025560.018
120.084270.038420.024570.018
130.077280.036430.024580.018
140.072290.035440.023590.017
150.067300.034450.023600.017
160.063310.033460.022

参考:国税庁 減価償却資産の償却率等表

物件売却時の減価償却費

減価償却費は、ワンルームマンションを運用中は分かりやすい節税効果になります。売却時には、物件価格から減価償却の総額を引いて物件取得費を出します。

よって、減価償却費の総額が多いのも売却する際は考えものです。

譲渡所得税は、不動産売却により利益が出たときに納税となります。

譲渡所得税= [譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)] × 譲渡税率

取得費=購入価格 +仲介手数料 + 固定資産税等清算金 - 減価償却費の合計

期間所得税率住民税率 譲渡税率
長期譲渡15.315%5%20.315%
短期譲渡30.63%9%39.63%
長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える土地建物を、また、短期譲渡所得は譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の土地建物をそれぞれ譲渡したことによる所得をいいます。

参考:国税庁 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

減価償却・確定申告が不安な方

ワンルームマンションを一物件所有したら確定申告は、必須です。物件一軒であれば、簡易簿記を作成し確定申告を行うことになると思います。自分で会計処理をして確定申告を行うことも十分にできます。

購入初年度は、不動産購入による費用から損益がでます。不動産所得と給与所得から損益計算をして確定申告を行うことになります。

減価償却やその他の経費の処理、一年間の経費管理を考えると少し不安な方は、ネットで会計処理から確定申告まで出来る全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」の使用をお勧めします。

費用も手軽で無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」 は、会計の知識がなくても会計処理や確定申告ができ大変便利です。

freeeは、確定申告の時期にTV CMもやってましたね。

まとめ

減価償却費は、建物などの固定資産にすでに支払い済みの費用を耐用年数に分割して経費計上する時の勘定科目です。

ワンルームマンション投資で考えるとすでに支払いをしている建物代などを経費計上できるため所得を減らすことになり節税に繋がります。

一方、売却時には譲渡所得を計算するため譲渡価格から減価償却費の総額を引きます。売却益が出ているときは納税することになります。

減価償却は、ワンルームマンション投資の会計処理、確定申告を行うのに必要となりますのでしっかり知識をつけて下さい。

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