相続評価額が小さくなるため現金を不動産に変え相続対策を行うことがあります。その際にワンルームマンションの物件価格や規模から選ばれることがあります。
相続者の収益・トラブル回避・物件管理運用・売却など様々な点から総合的に判断しワンルームマンションが選ばれます。
ワンルームマンションを相続のために選ぶ理由
相続評価額の大きな節税効果
ワンルームマンションの相続評価額は、現金と比べて大きく節税できます。当然物件により異なりますが3割程度評価額が下がることもあります。
相続者の収益
賃貸物件を相続することにより、相続者は収益を得ることができます。
遺産分割の容易さ
大規模または、高額な一棟アパートや一棟マンション、ファミリーマンションと比較し物件価格が安くなるため、遺産分割がしやすいくなり相続人間でのトラブルが少なくなります。
まだ、一次相続や二次相続の時なら仲のいい兄弟であればどうにかなりますが、孫の世代にまで所有し権利が別れると運営管理だけでなく売却まで相当な手間が掛かります。
権利が別れる遺産相続を避けるために不動産の中でも小規模なワンルームマンションが選ばれます。
仮に子供が二人いたら同じ金額であれば一棟アパートより2物件のワンルームマンションの方がスッキリ分けられて安心して相続ができます。
相続者の管理が容易
大規模・高額不動産を複数人で権利を分けて相続すると運用管理、収入など複雑になります。
だれが運用管理の手間をかけるのかなど金銭だけでは割り切れない問題も出てきます。大規模不動産は、事業規模となり確定申告も複式帳簿などが必要な青色申告となり思っている以上に管理者の負担は大きいです。
売却し易さ
相続者は、不動産所有よりも現金化を望むことも考えるられます。相続税は発生から10ヶ月以内の現金一括納付になります。多額の現金が動くためワンルームマンションを売却する必要が出てくることあるかもしれません。
現金化の考えるとやはりワンルームマンションが不動産の中では売却が早く決まり扱いやすいです。
相続時のローンの扱い
物件所有者である被相続人が物件購入の際にローンを組む際に団体信用生命保険に加入していたら残りの返済額は免除となり相続者にローンが残りません。
団体信用生命保険に加入ぜずにローンを組んでいたとしても、残りの返済額は債務控除となり相続税を減らすこともあります。ローンを相続しても不動産収益から対応できるならメリットがあります。
不動産評価額の計算方法
土地の相続評価
土地の相続税評価額は路線価を用いて計算します。路線価が設定されていないエリアの場合には倍率方式を用いて計算します。計算に用いる路線価および評価倍率は国税庁が公表しています。
路線価が設定あり 「 土地評価額 = 路線価 × 面積 × 補正率 」
路線価が設定なし:倍率方式 「 土地評価額 = 固定資産評価 × 倍率 」
路線価は、公示地価(土地の実勢売買価格)の80%に決まっています。
公示価格、路線価、固定資産評価額と分かりにくいので土地の価格指標を表で紹介します。
価格名 | 利用 | 評価 | 管轄 |
実勢価格 | 土地売買 | 時価 | ー |
公示地価 | 土地売買 | 時価 | 国土交通省 |
路線価 | 相続税・贈与税の計算 | 公示価格の80% | 国税庁 |
固定資産評価額 | 固定資産税の計算 | 公示価格の70% | 市区町村 |
一区画ワンルームマンションで賃貸業を行っている土地の相続税評価額は、借地権割合(30~90%)・借家権割合30%・賃貸割合100%を控除して計算します。
借地権割合は、自用地とした場合の相続税評価額に対する借地権の相続税評価額の割合のことです。地域ごとに定められており、路線価図や評価倍率表に表示されています。借地権割合は30%から90%の間となります。一方、借家権割合は全国一律30%と決まっています。
賃貸割合は、一区画のワンルームマンションは、100%なり、10室ある賃貸アパートは各部屋の大きさが同じとすれば、5室が空室だった場合は入居率50%で賃貸割合が50%となります。
賃貸一区画ワンルームマンション物件土地相続評価額 =
土地相続評価額 × (1 ー 借地権割合 × 借家割合30% × 賃貸割合100%)
さらにワンルームマンションなど敷地面積が200㎡以下の土地であれば小規模宅地等の適応で50%の減額となります。賃貸ワンルームマンションは、賃貸業や小規模宅地等の適応から相続税の節税に使われます。
建物の相続評価
建物の相続評価額は固定資産税評価額がそのままそのまま相続評価額となります。
建物相続評価額 = 固定資産税評価額 × 1.0
また、賃貸物件で事業を行っている場合は、建物の評価額から借家権割合30%・賃貸割合100%の控除ができます。つまり賃貸物件の場合は、相続評価額の70%となります。
賃貸一区画ワンルームマンション建物相続評価額 = 相続評価額 × (1 ー 借地権割合30% × 賃貸割合100%)
これを公示価格(売買実勢価格)から考えると70%の70%となり建物の相続評価額49%なり半分になります。
相続評価額シミュレーション
2000万円(土地・建物各1000万円)ワンルームマンションの相続評価額のシミュレーションをしてみると670万円(土地320万円・建物350万円)おおよそ3割程度に減額していることがわかります。
土地 | 建物 | |
購入価格 | 1000万円 | 1000万円 |
評価額 | 路線価評価 80% 800万円 | 固定資産評価 50% 500万円 |
賃貸物件 | 賃家建付地評価 80% 640万円 | 賃家評価 70% 350万円 |
小規模宅地等の 特例 | 50% 320万円 |
まとめ
ワンルームマンションの相続は、相続者に大きな節税効果をもたらします。ワンルームマンションの所有は、相続者の利益・遺産分割・管理運用・売却など総合的に判断し優れた相続対策になります。