オーナーチェンジ メリット・デメリット 契約は更新するの?

コラム
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オーナーチェンジとは、 賃貸契約が継続し入居者がいる状態で不動産が売買され、不動産所有者(オーナー)が変更になることを言います。賃借人いない状態での不動産売買はオーナーチェンジとはいいません。

オーナーが代わっても賃貸借契約は継続されます。契約条件は、売買により新オーナーに引継がれますがトラブル回避のため購入契約時に同時に覚書を作成することをお勧めします。

中古ワンルームマンション投資での売買は、オーナーチェンジで行われることが多いです。

私は、人気エリアの優良な中古ワンルームマンションをオーナーチェンジで購入しています。それは、オーナーチェンジのメリットを踏まえてあえてオーナーチェンジ物件を選んで購入しています。

オーナーチェンジのメリット・デメリット

メリット
  • 購入後直ぐに家賃収入が得られる
  • 収支の見通しが立ちやすい
  • 入居者募集経費が省ける
  • ローン審査に通りやすい
  • 入居者の信用を確認できる
  • 物件価格が安くなることがある
デメリット
  • 入居者がいるため内見が難しい
  • 瑕疵確認が難しく、入居者退去後の修繕費発生の可能性
  • 購入後の契約内容変更が難しい

収益面

ワンルームマンション投資では、空室率を下げることが経営する上で重要となりますがオーナーチェンジの場合は、既に入居者がいるため空室期間が発生することなく直ぐに家賃収入が得られます。これはすごく大きなメリットとなります。

入居者募集には、管理会社や不動産仲介会社への手数料支払いが発生し、次の入居者が決まるまでは収入がなくワンルームマンション投資、そして不動産経営としては大きな痛手になります。

管理会社手数料・不動産仲介会社への支払いがそれぞれ家賃の1ケ月分で、広告費が半月分、空室が1カ月としたらトータル支払いが2.5カ月分に無収入が1ケ月分となり3.5カ月分の家賃を失うことになります。

この費用に管理費・クロス張替・清掃・修繕など様々な経費が発生するとあっという間に家賃の4~5か月分ぐらいは失うことになります。

ローン審査

オーナーチェンジは、購入後直後から賃貸契約から収支が明確であり、運用シミュレーションが根拠に基づいているためローンを審査する金融機関にとっても空室物件に比べ判断がしやすく結果有利に働きます。

入居者の信用が確認

入居者の属性などを購入前に確認することにより、滞納履歴やトラブルの有無などを確認できます。新規入居者を募集する際は、オーナー・管理会社と入居者審査など行いますが、既に入居している場合は、入居履歴が明確なため信用確認が済んでいるのがメリットとなります。

物件価格が安くなる可能性

ワンルームマンション投資物件は、物件価格を収益還元法で計算されます。この計算方法には、現状の家賃が含まれるため、家賃が周辺相場より安い場合は物件価格が安くなることがあります。

◆ 物件査定価格=年間純収益÷還元利回り

私が、購入した物件一つに管理費を設定しておらず相場より安い家賃の物件があります。前所有者は、相続が終わり売却を望んだ若い夫婦でした。恐らく被相続人であった方が管理費をなくし少し安い家賃として長い空室期間を避けたのではないかと考えています。

その物件は、新しい入居者が入り相場程度の家賃の値上げに成功しています。このように実際に物件が相場より安く購入した事例となります。

内見が困難

不動産のような高額な物件を購入するならば、本来内見を行い自分の目で状態を確認したいところですがオーナーチェンジ物件であるとそうもいきません。

内装、キッチン・お風呂・トイレの水回り、フローリングなどの調査が難しく、入居者の利用状況の確認ができない可能性が高いです。よって、入居者の退去後に瑕疵や劣化が発覚し修繕が発生することもあります。

まずは、売主に修繕履歴を確認することが大切です。修繕履歴があり購入希望がある場合は、売主や入居者の了解を取り確認することをお勧めします。

契約内容の変更が困難

オーナーチェンジ物件は、賃貸契約も引き継がれるため、低い家賃などオーナーが納得できない契約を結んでいてもその条件を引継ぐことになります。

契約更新時に借主に賃料の変更を依頼することができますが、契約変更は正当な理由がなければ認められません。

第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

e-Gov法令検索『借地借家法』第32条

オーナーチェンジの注意点

オーナーチェンジ物件はメリットもありますが、デメリットもありリスクを避けるため注意することがあります。

注意点
  • 売主であるオーナーの売却理由の確認
  • 契約内容
  • 入居履歴
  • 物件の管理状況
  • 修繕履歴
  • 入居者の属性やトラブルの有無
  • サブリース契約の有無

収益物件を売却するにはそれなりの理由があるはずです。成功した投資の出口戦略として売却なのか、現金化のためなのか、何らかの問題で空室率が高いなどのマイナスの理由なのか状況によって物件価値が大きく異なります。

ワンルームマンション投資は、決して安くない買い物になります。できることは納得いくまで確認することが大切です。

サブリース契約も前オーナーから引き継がれるため契約内容を確認し必要でなければ購入を止めるか、もしくは前オーナーに契約解除をしてもらう必要があります。

私は、中古ワンルームマンションを購入する際は、サブリース物件は除外しています。その理由はサブリースはトラブルが多いためです。サブリースについては⑨運用管理はどうするの?で紹介しています。

中古物件の購入は所有権の移転だけでなく賃貸契約も引継がれることを考えていなかったよ!

そうね!

オーナーチェンジ物件は、不動産だけでなく賃貸契約も合わせて付いてくるから

しっかり内容を確認することが必要ね!

オーナーチェンジの契約は覚書を作成

オーナーチェンジの契約は、新たな所有者に継続されるため賃貸契約書を新たに作成する必要はありません。

私は、税理士より契約書の作成は必要はないが契約を証明するためと、前オーナーや入居者とのトラブルが生じた際に新オーナーとして証明となるように覚書を作成するように言われ三者(前オーナー・入居者・新オーナー)で覚書を作成しました。

一度目の物件購入は、覚書作成を想定していなかったため購入後に前オーナー、入居者に郵送し返信頂き作成しました。2軒目以降は、契約時に前オーナーにサインして頂き、管理会社から入居者のサインを頂き作成しました。

見本としてテキストをつけておきます。

  覚 書

  賃貸人〇〇(以下「甲」という)と賃借人 〇〇(以下乙という)とは、20〇〇年〇月〇日付にて締結した〇〇市〇〇町〇-〇所在地の建物(以下「原契約」という)の一部変更に関してつぎのとおり合意した。その証として本覚書3通作成し、貸主、新貸主、借主(署)記名押印のうえ各その1通を保有する。

 【第1条】 原契約に定める貸主名義は、20〇〇年〇月〇日から新貸主〇〇に変更します。

 【第2条】 貸主変更に伴い、賃料等支払先は、20〇〇年〇月〇日から下記口座に変更します。

               振込口座   〇〇銀行 〇〇支店

               普通預金 口座番号〇〇〇〇 名義人 〇〇(〇〇) 

  【第3条】  貸主変更に伴い、不動産管理会社を変更します。

                  不動産管理会社  〇〇〇〇

                  住所 〇〇市〇〇町〇-〇-〇  TEL 〇-〇-〇

                                                     FAX 〇‐〇‐〇

  【第4条】  覚書に記載なき事項は、原契約によります。

                                                                             以  上

                                                            〇〇年  〇月 〇日

     貸  主        住 所  

                      氏 名                           印

          新貸主        住 所   

                       氏 名                         印

          借 主    住 所

                       氏 名                                    印

オーナーチェンジを入居者に通知

オーナーチェンジにより所有権が新オーナーに移転したことを入居者に通知をします。これは、多くの場合管理会社から行われます。

オーナーが代わることにより、振込先や管理会社も合わせて変わるため物件購入後速やかに管理会社から通知を行います。入居者には、変更項目に加え契約条件は変更がなく継続的に引継がれることを連絡します。

まとめ

オーナーチェンジとは、 賃貸契約が継続し入居者がいる状態で不動産が売買され、オーナーが変更になることを言います。オーナーが代わっても契約条件は継続されます。契約書を更新する際は覚書を作成して下さい。

また、オーナーチェンジ後は、入居者に契約条件の継続と変更項目となる振込先や管理会社について通知します。

中古ワンルームマンション物件購入者の多くは、オーナーチェンジとなりますのでメリット・デメリットを確認し購入を検討することが必要です。

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