空き家率が上昇している中で、不動産投資は大丈夫だろうかと考える方も多いのではないでしょうか。
実際に、この30年間で空き家数は2倍に増加しています。そして、政府も空き家対策に行っています。当然、ワンルームマンションをはじめ不動産投資をはじめるには気になる問題となります。
空き家と言えば、地方の一軒家でボロボロなイメージを考えますが、実際の総務省のデータから空き家の実態を詳細に見てみます。
空き家は主に一戸建の増加が大きく、ワンルームマンションの区画物件が空き家問題の中心でないのが分かります。
全体としては、空き家率は増加していることを踏まえるとワンルームマンション投資における物件選びは、より慎重に都市圏の人気のエリアでニーズの高い物件を選び、将来を踏まえた出口戦略が重要となります。
総住宅数・総世帯数の推移
総務省統計局の「日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説」によると平成 25 年2013年) 10 月1日現在、日本の総住宅数は 6063 万戸、総世帯数は 5245 万世帯となっており総住宅数及び総世帯数ともに増加しているのが分かります。
グラフの記載はありませんが、第1回調査が行われた昭和 23 年(1948年)の総住宅数はの1391 万戸であったので 、65 年間で約 4.4 倍に増加しています。
出典 総務省統計局 「日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説」
空き家の実態
総住宅数、総世帯数が増加している中、空き家数や空き家率も増加しています。空き家全体の傾向は報道されますが、その中身となる空き家の属性については報道されることはないので細かく見てみていきます。
空き家数および空き家率の推移
空き家の推移をみると昭和 38 年(1963年)の 52 万戸から、平成25 年(2013年)の 820 万戸と一貫して増加しています。
また、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)も昭和 38 年(1963年)の 2.5%から上昇を続け平成25 年(2013年)では 13.5%と住宅のほぼ7戸に1戸が空き家となっています。
出典 総務省統計局 「日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説」
空き家の種別割合
住宅・土地統計調査における空き家の分類
賃貸用の住宅 | 新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅 |
売却用の住宅 | 新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅 |
二次的住宅 | 別荘などの普段は人が住んでいない住宅 |
その他の住宅 | 上記以外の人が住んでいない住宅で、転居・入院などで長期不在住宅や取り壊し予定住宅など |
空き家の種別割合から見ると賃貸用の住宅の割合が高くなっています。
まだ結論を出さないでくださいね
賃貸用住宅 429 万戸( 52.4%)
売却用の住宅 31 万戸 (3.8%)
二次的住宅 41 万戸 (5.0%)
その他の住宅 318 万戸(38.8%)
出典 総務省統計局 「日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説」
住宅の建て方・空き家の種類別空き家数
空き家の種類別では賃貸の住宅数が半数を占めましたが、今度は「住宅の建て方と空き家の種類別」いう見方で見てみます。
平成 20 年(2008年)と平成25年(2013年)を比べると空き家は 63 万戸増加しています。
建て方別にその内訳をみると一戸建空き家が 50 万戸で増加した空き家の 79.0%を占めていることが分かります。
また、建て方別空き家の種類別に増減数を見ると一戸建の空き家は、増加した 50万戸のうち,49 万戸が「その他の住宅」となります。
このように、空き家の種別でみると半数を賃貸用の住宅となりますが、住宅の建て方でみると空き家の増加は主に一戸建によるものであるとわかります。
出典 総務省統計局 「日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説」
地域別にみた空き家の状況
平成25年(2013年)の調査から空き家率を都道府県別に空室率を見てみます。全国平均は、13.5%の空き家率となっています。
空き家率が高い上位5県
都道府県名 | 空き家率 | |
1位 | 山梨県 | 22.0% |
2位 | 長野県 | 19.8% |
3位 | 和歌山県 | 18.1% |
4位 | 高知県 | 17.8% |
5位 | 徳島県 | 17.5% |
空き家率低い下位5県
都道府県名 | 空き家率 | |
1位 | 宮城県 | 9.4% |
2位 | 沖縄県 | 10.4% |
3位 | 山形県 | 10.9% |
4位 | 埼玉県 | 10.9% |
5位 | 東京都 | 11.1% |
出典 総務省統計局 「日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説」
3大都市圏における空き家率
3大都市圏における空き家率12.3%は、全国平均13.5%に対し低くなっています。関東大都市圏が11.4%、中京大都市圏12.7%、近畿大都市圏13.8%となっており近畿大都市圏だけが全国平均を下回っています。
出典 総務省統計局 「日本の住宅・土地-平成25年住宅・土地統計調査の解説」
まとめ
日本の総住宅数に占める空き家率は、上昇を続け平成25 年(2013年)では 13.5%と住宅のほぼ7戸に1戸が空き家となっています。
空き家の種別でみると半数が賃貸用の住宅となり、住宅の建て方でみると空き家の増加は主に一戸建によるものであるとわかります。
空き家率は、都道府県別に差があります。3大都市圏における空き家率12.3%は、全国平均13.5%に対し低くなっています。
全体としては、空き家率は増加していることを踏まえるとワンルームマンション投資における物件選びは、より慎重に都市圏の人気のエリアでニーズの高い物件を選び、将来を踏まえた出口戦略が重要となります。